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幸せの美学 take2 | Shiawase no Bigaku take2

2025年8月1日

三ヶ田ケイゾウ & ヨシムラタカシ | Keizou Mikata Takashi Yoshimura

日本 | Japan

Hope & Dreaams

幸せの美学 take2 | Shiawase no Bigaku take2

三ヶ田ケイゾウ&ヨシムラタカシ
「幸せの美学」
リリースに寄せて

野田隆司氏からの提案でヨシムラタカシ氏と共作で一曲作れないかというお話をいただき、大変光栄なお話だ。と思いさっそく作り始めた曲は、「負けの美学」というタイトルだった。
福島で生活を続けていて、自分が生きているうちには勝ち目がない、と思う事がある。だからと言って自分が正しいと思うことが変わることはない。
次の世代に繋げるため、負け続けても貫く背中を見せ続けるのも悪くない。
だいたいにして、勝ち負けは数の話になりがちだけど、
はじめから自分は多数派の考えが正しい、とは思った事はなかった。
人の数だけ考えはあると、年をとればとるほど痛感する。
一番の歌詞を書いて、そのままヨシムラさんに丸投げした。
タイトルも「幸せの美学」にかえた。ヨシムラさんに渡す上で、影の残る言葉ではなくて
一言で楽しくなるような、そんなものにしたくなったのだと思う。
二人でぶちかませたらいいな、と思った。
自分の幸せは、確実に負けの中から見つけてきたと思っている。
いつまでも、なにくそと思っているし、なにくそと思えている自分は幸せだ。

三ヶ田ケイゾウ

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野田さんから三ヶ田さんとの楽曲共作のお話をいただいたとき、半ば反射的に「やります」と返事をし、その後で嬉しさがじわじわと込み上げてきた。
楽曲を共作する、ということに何のプレッシャーも抵抗感もなく楽しみな気持ちになれたのは、相手が三ヶ田さんだったからだ。

三ヶ田さんから送られてきた作りかけの「幸せの美学」、イントロも無く耳に飛び込んできた「それがおまえの幸せなのか?」というストレートな問いかけに私はまだ答えられていないし、これからも答えられないのかもしれない。
だけどその後に続く「これがおれの幸せなんだ」という言葉を、私もまたなにくそという気持ちで歌っている。

負けて一度は逃げ出した人間がまたうたを歌っているんだから、おもいきり幸せを叫ぶべきだし、そうしなければいけないんだと思う。
この曲を作れてよかった。

ヨシムラタカシ


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二人の文面を読んでいたら、私も一言書いておいた方がいいかもと思いました。
三ヶ田ケイゾウさんから電話をもらったのは、去年(2024)の暮れに長崎で角銅真実さんのライブを聴いてホテルに帰る途中でした。片平里菜さんの沖縄でのライブのブッキングの相談だったと思います。私は三ヶ田さんに、年明けに那覇で行う”Sakurazaka ASYLUM”に出演してもらいたくて、あまり脈絡もなくヨシムラタカシさんと作品を共作することを提案しました。(もちろんその時はヨシムラさんにも話していません)三ヶ田さんは、その話にすぐに乗ってくれて、ホテルに着く前にはなんとなく話はまとまりました。ヨシムラさんもこの提案を快く受け入れてくれました。

今年2月に入った頃、デモの音源が三ヶ田さんから届きました。
「それがお前の幸せなのか」という、どストレートな問いかけは、深く刺さりました。見透かされたようでもあり、ケツを叩かれるようでもあり、背中を押されるようでもあり、否が応でも自分の生き方を見つめ直さなければならないような、気分になりました。

福島と福岡に暮らす二人のアーティストが、沖縄経由で生み出したこの尊い作品を、一人でも多くの人に届けられたらと思います。

野田隆司

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